Echeveria lutea Rose

基本情報
- 科
- Crassulaceae(ベンケイソウ科)
- 属
- Echeveria
- 学名
- Echeveria lutea Rose
- 命名者・著者引用
- Rose
- 記載年
- 1911
分布
- 原産国
- Mexico(メキシコ)
- 州・地域
- San Luis Potosí(サン・ルイス・ポトシ)
- 具体的産地
- Minas de San Rafael(ミナス・デ・サン・ラファエル)
自生地に関する記録
本文/補足・記録
## 植物名
ルテア
## 基本情報
・学名:Echeveria lutea Rose
・命名者:Joseph Nelson Rose
・記載年:1911年
・科:Crassulaceae(ベンケイソウ科)
・属:Echeveria
・原産国:Mexico
・2026年の新組合せ:Balbinaea lutea (Rose) L.E.Cruz-López
Echeveria lutea Rose(エケベリア・ルテア)は、Joseph Nelson Roseによって1911年に記載されたエケベリアです。Mexico(メキシコ)のSan Luis Potosí州で採集された植物をもとに記載され、その後も同州の複数の地域から標本が確認されています。
この種を特徴づけるものの一つが、淡い黄色の花です。種小名のlutea(ルテア)も、ラテン語で黄色を意味するluteusに由来します。
2026年には新しい分類によってBalbinaea lutea (Rose) L.E.Cruz-Lópezという学名も正式に発表されましたが、2026年9月現在、Plants of the World Online(POWO)ではEcheveria luteaが現在認められている学名です。
## San Luis Potosíとの関係
Echeveria luteaの学名の基準となった植物は、1910年11月にSan Luis Potosí州のMinas de San Rafaelで採集されました。さらに、2026年の分類研究ではSierra de Álvarez、Santo Domingo、Las Rusias、Guadalcázarなど、San Luis Potosí州の複数の地域から採集された植物が検討されています。
そのため、San Luis PotosíとEcheveria luteaとの関係には、学名の基準となった植物だけでなく、その後の複数の標本による裏付けがあります。
一方、分布については資料によって扱いが一致していません。POWOでは自然分布域をQuerétaroからHidalgoとしていますが、学名の基準となった植物はSan Luis Potosí産です。2026年の分類研究でも、San Luis Potosí州のSierra Madre Orientalから知られる種として整理されています。そのため本図鑑では、資料間の違いをそのまま記録します。
## 黄色い花を咲かせるエケベリア
1911年の原記載では、ルテアは多数の葉を持ち、葉は長さ8〜10cmほどとされています。葉は淡い緑色で毛がなく、葉縁が上向きに反るため、中央に深い溝ができます。葉先は細く尖ります。
花茎は20〜30cmほどで、20個以上の花をつけると記録されています。原記載では花色がlemon yellow(レモン黄色)と記載され、2026年の分類研究でも淡黄色の花が特徴として扱われています。
ただし、すべての個体が同じ黄色になるわけではなく、2026年の研究では赤味を帯びた花を持つ生きた植物も確認されています。そのため、ルテアは淡黄色の花を特徴とする一方、花色には変異も確認されている種と捉えるのが適切です。
## 2026年に発表された新しい分類
2026年、Echeveriaとその近縁植物を再検討した研究によって、新しい属Balbinaeaが正式に発表されました。この研究ではルテアもBalbinaeaへ移され、Balbinaea lutea (Rose) L.E.Cruz-Lópezという新しい組み合わせが発表されています。新しい分類ではBalbinaea ser. Angulataeに置かれ、線状から披針形の葉と黄色い花の組み合わせなどが特徴として示されています。
一方、2026年9月現在、POWOではEcheveria lutea Roseが現在認められている学名です。そのため本図鑑ではEcheveria luteaを基本表記とし、2026年に正式発表されたBalbinaea luteaも記録します。
## var. fuscataの扱い
ルテアには、Echeveria lutea var. fuscata E.Waltherという名前もあります。この名前を現在どのように扱うかについても、資料によって見解が異なります。
2026年9月現在、POWOではEcheveria lutea var. luteaとEcheveria lutea var. fuscataを、それぞれ認められた変種として掲載しています。一方、2026年の分類研究ではvar. fuscataを独立した変種として残さず、Balbinaea luteaに含めています。
そのため、var. fuscataを現在も独立した変種として認めるかどうかについては、主要資料の扱いが一致していません。
## 詳細記録
### 学名の基準となる標本
・採集者:C.A. Purpus
・採集番号:800
・採集時期:1910年11月
・採集地:Minas de San Rafael, San Luis Potosí, Mexico
・Holotype:US 00096744
・Isotype:NY 00387918
### San Luis Potosíの標本記録
・Sierra de Álvarez:R. Moran 6328、R. Moran 6338、R. Moran 6317
・2026年の分類研究で検討された地域:Santo Domingo、Villar周辺、Las Rusias、Guadalcázar
### Valle de los Fantasmasの記録
・採集者:J. Reyes S. & C. Brachet
・採集番号:5293
・採集日:2005年5月4日
・地域:Las Rusias付近、Valle de los Fantasmas, San Nicolás Tolentino, San Luis Potosí
・標高:2025m
・標本:MEXU 1388532
・MEXUでの登録名:Echeveria lutea Rose
・2026年の分類研究:Balbinaea luteaの検討標本として使用
### 形態
・原記載の葉長:8〜10cm
・葉色:淡緑色
・葉面:無毛
・葉:葉縁が上向きに反り、中央に深い溝をつくる
・葉先:細く尖る
・花茎:20〜30cm
・花数:20個以上
・花冠:約15mm
・原記載の花色:lemon yellow(レモン黄色)
・2026年の研究:淡黄色を基本とし、赤味を帯びた花の個体も記録
### 生育環境
・POWO:desert or dry shrubland biome
・2026年の検討標本で記録された環境:道路沿いの岩場、岩の割れ目、崖の基部、岩質斜面、PinusやQuercusの林周辺
・これらは個々の標本地点の記録であり、種全体に共通する単一の生育環境を示すものではない
### 染色体
・International Crassulaceae Network:n = 12
### 分類
・1911年:Echeveria lutea Roseとして記載
・2026年:Balbinaea lutea (Rose) L.E.Cruz-Lópezとして新しく組み替え
・2026年体系:Balbinaea ser. Angulatae
・2026年9月現在のPOWO:Echeveria lutea Roseを現在認められている学名として掲載
・本図鑑:Echeveria luteaを基本表記とし、Balbinaea luteaを併記
### Echeveria lutea var. fuscata
・POWO:Echeveria lutea var. fuscata E.Waltherを認められた変種として掲載
・2026年の分類研究:Balbinaea luteaのシノニムとして扱う
・International Crassulaceae Network:独立した分類群として扱う意義に否定的な解説あり
・主要資料間で扱いが一致していないため、本図鑑ではいずれか一つに統一せず併記する
### 保全
・Echeveria lutea/Balbinaea luteaの正式なIUCN Red List assessment:今回確認できず
異名・旧学名
- Balbinaea lutea (Rose) L.E.Cruz-López
- Echeveria lutea var. fuscata E.Walther(POWOではaccepted variety、2026年TAXONではBalbinaea luteaのシノニムとして扱う)
出典・参考資料
- C.A. Purpus 800 — Echeveria lutea type, Minas de San Rafael, US 00096744 / NY 00387918
- J. Reyes S. & C. Brachet 5293 — Valle de los Fantasmas, MEXU 1388532
- R. Moran 6317 / 6328 / 6338 — Sierra de Álvarez
- 2026年分類研究 — Balbinaea lutea, ser. Angulatae
- Plants of the World Online — Echeveria lutea Rose / var. fuscata