Echeveria secunda Pacifica=Glauca
基本情報
- 科
- Crassulaceae(ベンケイソウ科)
- 属
- Echeveria
- 学名
- Echeveria secunda Pacifica=Glauca
- 記載年
- 1838
分布
- 原産国
- Mexico(メキシコ)
- 州・地域
- Oaxaca(オアハカ)
- 具体的産地
- Pacifica
自生地に関する記録
本文/補足・記録
## 植物名
セクンダ パシフィカ=グラウカ
## 基本情報
・植物名:セクンダ パシフィカ=グラウカ
・Köhres表記:ECHEVERIA secunda ,Pacifica= Glauca
・Köhres商品番号:7921
・基礎となる学名:Echeveria secunda Booth ex Lindl.
・記載年:1838年
・位置づけ:流通ラベル(地域名・歴史的名称を含む可能性あり)
セクンダ パシフィカ=グラウカは、Echeveria secunda に「Pacifica=Glauca」という名称を付してKöhresから流通する系統です。
Köhresでは商品番号7921、ECHEVERIA secunda ,Pacifica= Glauca として確認されています。
「Pacifica」に正式なvariety・forma・subspeciesとしての位置づけは確認されていません。
一方、「Glauca」には Echeveria secunda の分類史に関係する正式名称が存在するため、「Pacifica」と「Glauca」は分けて検討する必要があります。
## Pacificaについて
International Crassulaceae Network系の資料には、Echeveria secunda, Pacifica, Oaxaca とされた栽培個体が掲載されています。
このことから、園芸・コレクション上では「Pacifica」とOaxaca(オアハカ)を結びつける扱いが存在していたことは確認できます。
ただし、Köhres商品番号7921について、採集者、採集番号、証拠標本などを通してOaxacaのPacificaへ直接つなぐ資料は確認できていません。
そのため、Köhres 7921をOaxaca州Pacifica産と断定することはできません。
## Glaucaの名称史
「Glauca」には、Echeveria secunda の分類史に関係する正式名称があります。
1869年に Cotyledon glauca Baker として記載され、その後、Echeveria secunda var. glauca (Baker) Ed.Otto、Echeveria glauca (Baker) Morren、Echeveria pumila var. glauca (Baker) E.Walther といった組合せが発表されました。
2026年9月現在、Plants of the World Online(POWO)では、これらの名称を現在の Echeveria secunda に含まれるシノニムとして扱っています。
2026年に発表された Balbinaea secunda の分類学的再整理でも、このglauca系の名称群は B. secunda のシノニムとして整理されています。
## Köhres 7921とGlaucaの関係
Köhresでは「Pacifica=Glauca」という表記が使用されています。
しかし、この「=」が植物命名規約上の正式な同物異名関係を示すものとは限りません。
また、歴史的な Echeveria secunda var. glauca とKöhres 7921が、同じ採集系統やタイプ由来の植物であることも確認できていません。
したがって、GlaucaがE. secundaの歴史的シノニムであることと、Köhres 7921がその歴史的Glaucaそのものであることは分けて扱う必要があります。
## Oaxacaと現在の分類
2026年には Echeveria secunda について、Balbinaea secunda (Booth ex Lindl.) L.E.Cruz-Lópezという新組合せが正式に発表されました。
同研究で B. secunda の分布として整理されたのは、Ciudad de México(メキシコシティ)、Estado de México(メヒコ州)、Guanajuato(グアナファト州)、Hidalgo(イダルゴ州)、Michoacán(ミチョアカン州)、Morelos(モレロス州)、Puebla(プエブラ州)、Querétaro(ケレタロ州)、Veracruz(ベラクルス州)で、Oaxacaは含まれていません。
そのため、園芸資料にある「E. secunda, Pacifica, Oaxaca」という記録を、現在の狭義の B. secunda へそのまま組み込むことはできません。
ただし、このことだけからOaxacaの植物を誤同定と断定することもできません。
現時点では、PacificaとOaxacaの園芸上の関連は確認できるものの、その植物およびKöhres 7921の現在の分類学的位置は未確認として扱います。
## 形態について
歴史的な「glauca」には形態的な記載がありますが、それをKöhres 7921固有の特徴として適用できる資料は確認できていません。
そのため、本記事では流通個体の外見から「Pacifica系統」固有の形態的特徴を定義しません。
## 分類
「Pacifica」は独立した植物学上の分類階級ではありません。
また、歴史的な Echeveria secunda var. glauca は正式に発表された名称ですが、現在は Echeveria secunda のシノニムとして扱われています。
2026年9月現在、Plants of the World Online(POWO)では Echeveria secunda Booth ex Lindl. をaccepted speciesとして扱っています。
そのため、本記事でもPOWOの現在の扱いに従い、Echeveria secunda を基礎となる学名として扱います。
したがって、セクンダ パシフィカ=グラウカは、「Pacifica=Glauca」というKöhresの流通名を持つ Echeveria secunda 系統として整理します。
異名・旧学名
- 基礎となる学名:Echeveria secunda Booth ex Lindl.
- Balbinaea secunda (Booth ex Lindl.) L.E.Cruz-López
- Cotyledon glauca Baker
- Echeveria secunda var. glauca (Baker) Ed.Otto
- Echeveria glauca (Baker) Morren
- Echeveria pumila var. glauca (Baker) E.Walther
出典・参考資料
- Köhres — ECHEVERIA secunda ,Pacifica= Glauca, No. 7921
- Plants of the World Online(POWO)— Echeveria secunda var. glauca (Baker) Ed.Otto
- International Crassulaceae Network — E. secunda, Pacifica, Oaxaca
- Baker (1869) — Cotyledon glauca
- Ed.Otto (1873) — Echeveria secunda var. glauca
- Morren (1874) — Echeveria glauca
- Walther (1972) — Echeveria pumila var. glauca
- Cruz-López, L.E. & Espinosa, D. (2026) — TAXON, DOI: 10.1002/tax.70153