シムランス パホナル

Echeveria simulans Pajonal

基本情報

Crassulaceae(ベンケイソウ科)
Echeveria
学名
Echeveria simulans Pajonal

分布

自生地に関する記録

Pajonalという地域名を伴ってKöhresから流通するEcheveria simulansです。Köhres商品番号は8388です。ICNではFrom Pajonal (Nuevo Leon)として同地域のシムランスが掲載されていますが、Köhres 8388の採集者、採集番号、正確な採集地点、座標、採集標高、標本資料は確認できていません。

本文/補足・記録

## 植物名

シムランス パホナル

## 基本情報

・植物名:シムランス パホナル
・Köhres流通表記:ECHEVERIA simulans Pajonal
・Köhres商品番号:8388
・基礎となる種:Echeveria simulans Rose
・科名:Crassulaceae(ベンケイソウ科)

「シムランス パホナル」は、Pajonal(パホナル)という地域名を伴ってKöhresから流通するEcheveria simulansです。

Köhresでは、ECHEVERIA simulans Pajonalという表記で種子販売されており、商品番号は8388です。

8388はKöhresの商品番号であり、採集番号、collection number、field number、標本番号ではありません。

## Pajonalとは

International Crassulaceae Network(ICN)のEcheveria simulans資料では、From Pajonal (Nuevo Leon)として同地域のシムランスが掲載されています。

そのため、PajonalとMexico(メキシコ)・Nuevo León(ヌエボ・レオン州)のEcheveria simulansとの対応は、Köhresの商品名だけに基づくものではなく、専門資料でも確認されています。

## El Pajonal周辺の記録

Nuevo León州Santa Catarina(サンタ・カタリーナ)自治体には、El Pajonal(エル・パホナル)という実在地域があります。

2020年の原著論文では、Santa Catarina自治体のArroyo Potreritos, near El Pajonal, Cumbres de Monterrey National Parkという地点が記載され、その場所で確認された植物の一つとしてEcheveria simulans Roseが挙げられています。

この地点の標高は1690mです。

したがって、El Pajonal近くの標高1690m地点でEcheveria simulansが同所的に確認されていることは、原著論文から確認できます。

ただし、1690mはこの調査地点の標高であり、Köhres 8388の採集標高ではありません。

## ICNのPajonalとの関係

ICNではFrom Pajonal (Nuevo Leon)と記載され、Nuevo León州Santa CatarinaにはEl Pajonalという実在地域があり、その近くでは原著論文によってEcheveria simulansの生育が確認されています。

これらの情報は強く整合しています。

一方、ICN自身はSanta CatarinaやArroyo Potreritosまで明記していません。

そのため、ICNのPajonal=Santa Catarina自治体のEl Pajonalと完全に同一地点として断定することはせず、関連性の高い地域情報として扱います。

## Santa Catarinaの標本記録

Nuevo León州の植物相資料では、Santa Catarina自治体から、Echeveria simulans Rose、M. C. Johnston 1121b、TEXという標本記録が確認されています。

これにより、Santa Catarina自治体にEcheveria simulansの標本記録があること自体は確認できます。

ただし、この標本の採集地点がEl PajonalまたはArroyo Potreritosであることまでは確認できていません。

そのため、Johnston 1121bを「Pajonalの標本」として扱うことはしません。

## Köhres 8388との関係

Köhres公式資料で確認できるのは、ECHEVERIA simulans Pajonal、商品番号8388という販売情報です。

一方、Köhres 8388について、元となった採集者、採集年月日、採集番号、field number、herbarium voucher、正確な採集地点、座標、採集標高は確認できていません。

そのため、Köhres 8388=ICN掲載株、Köhres 8388=El Pajonal近くの原著論文確認個体群、Köhres 8388=Johnston 1121bとは扱いません。

Pajonal周辺とEcheveria simulansとの地理的な対応が強く確認できることと、Köhres 8388の具体的な採集由来は分けて扱います。

## 日本国内での流通

日本国内でも、Köhres種子由来として、Echeveria simulans Pajonalの実生苗が流通した記録があります。

The Garden Partyでは「シムランス パホナル」、多肉植物研究所では「シムランス パジョナール」としてKöhres実生苗の掲載例が確認されています。

ただし、日本国内でこれらの名称で流通するすべての植物がKöhres 8388に由来することまでは確認できていません。

## 分類上の位置づけ

基礎となる植物は、Echeveria simulans Roseです。

POWOでは2026年現在もEcheveria simulansをacceptedとして扱っています。

Pajonalについては、今回確認した範囲では植物学上のvariety(変種)、subspecies(亜種)、forma、cultivar(栽培品種)として正式に成立した名称ではありません。

ICNでもcultivar名などではなく、From Pajonal (Nuevo Leon)という地域表記で扱われています。

そのため、Echeveria simulans var. PajonalやEcheveria simulans ‘Pajonal’といった名称は使用しません。

tanitanien植物図鑑では、「Pajonalという地域名を伴って流通するEcheveria simulans」として記録します。

## 確認できていないこと

Köhres 8388について、採集者、採集年月日、採集番号、field number、herbarium voucher、正確な採集地点、座標、採集標高は確認できていません。

また、Köhres 8388とICN掲載株、El Pajonal近くで確認された個体群、Johnston 1121bとの直接的な由来関係も確認できていません。

確認できていないprovenanceを、地域名や周辺記録の一致から推測して補完することはしません。

## 関連する原種 Echeveria simulans

シムランス パホナルの基礎となる植物は、Echeveria simulans Roseです。

シムランス本種の原記載、タイプ、分布、シノニム、2026年の分類研究については「シムランス」の図鑑記事で扱います。

出典・参考資料

  • Köhres Kakteen — ECHEVERIA simulans Pajonal, item 8388
  • International Crassulaceae Network — Echeveria simulans, From Pajonal (Nuevo Leon)
  • INEGI — Santa Catarina, Nuevo León, El Pajonal
  • Pachyphytum huastecanum (Crassulaceae), a New Species from the Huasteca Canyon, Nuevo León, Mexico (2020)
  • Nuevo León floristic records — Echeveria simulans, M. C. Johnston 1121b, TEX
  • Kew Plants of the World Online — Echeveria simulans Rose
  • The Garden Party — Echeveria simulans Pajonal, Köhres seedling records
  • 多肉植物研究所 — シムランス パジョナール, Köhres seedling records
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