サブリギダ

Echeveria subrigida (B.L.Rob. & Seaton) Rose

基本情報

Crassulaceae(ベンケイソウ科)
Echeveria
学名
Echeveria subrigida (B.L.Rob. & Seaton) Rose
命名者・著者引用
(B.L.Rob. & Seaton) Rose
記載年
1903

分布

原産国
Mexico(メキシコ)
州・地域
Mexico Central、Mexico Gulf、Mexico Northeast、Mexico Northwest、Mexico Southwest
具体的産地
Tultenango Canyon, State of Mexico, Mexico

自生地に関する記録

メキシコに広く分布する種です。タイプ採集はC.G. Pringle 4326で、1892年10月31日にState of MexicoのTultenango Canyonで採集され、岩棚・崖に生育していたと記録されています。Echeveria canteとの歴史的な混同に注意が必要です。

本文/補足・記録

## 植物名

サブリギダ

## 基本情報

・学名:Echeveria subrigida (B.L.Rob. & Seaton) Rose
・科名:Crassulaceae
・属名:Echeveria
・命名者:(B.L.Rob. & Seaton) Rose
・記載年:1903年
・基礎異名:Cotyledon subrigida B.L.Rob. & Seaton

サブリギダは、1893年にRobinsonとSeatonによってCotyledon subrigidaとして記載され、1903年にRoseによってEcheveria属へ移されたメキシコ原産種です。

2026年9月現在、Plants of the World Online(POWO)ではEcheveria subrigida (B.L.Rob. & Seaton) Roseをaccepted speciesとして扱っています。

## 分布

メキシコに広く分布する種です。

POWOではMexico Central、Mexico Gulf、Mexico Northeast、Mexico Northwest、Mexico Southwestに分布するとされています。

International Crassulaceae Network(ICN)では、México(メヒコ)州、Hidalgo(イダルゴ)州、San Luis Potosí(サン・ルイス・ポトシ)州、Guanajuato(グアナフアト)州、Querétaro(ケレタロ)州、Michoacán(ミチョアカン)州が挙げられています。

POWOとICNでは分布情報の示し方が異なるため、本記事ではメキシコに広く分布する種として扱います。

## タイプ標本

原記載に用いられたタイプ採集は、C.G. Pringle 4326です。

・採集日:1892年10月31日
・採集地:Tultenango Canyon, State of Mexico, Mexico
・生育場所:岩棚・崖

この採集に由来する標本は複数の標本庫に残されています。

MEXUにはT14662、T14663、Muséum national d’Histoire naturelleにはP00706305、P00706306、University of Colorado HerbariumにはCOLO 421122(barcode 359133)、Harvard University HerbariaにはGH 00042491が確認されています。

ただし、今回の調査では現在有効なlectotype指定や、特定の1標本をholotypeと断定できる資料を確認できませんでした。

そのため、本記事ではC.G. Pringle 4326をタイプ採集として扱い、holotypeの所蔵先は特定しません。

## 形態

1893年の原記載では、無毛で、高さ約1.5〜2フィートになる植物として記載されています。

葉は根生状にまとまり、無柄で卵形、先端は尖り、長さ約3〜4インチ。花序は約1フィートで、横方向へ広がるやや硬い枝を約8本持ち、それぞれに5〜7花をつけます。花は赤色で、内側に黄色味を帯びるとされています。

原記載ではCotyledon gibbifloraに近い一方、花序の枝がより短く硬いことや、葉がより短いことなどによって区別されています。

種小名「subrigida」は「ほぼ硬い」「やや硬い」という意味で、ICNでは花序枝の性質に由来すると説明されています。

## カンテとの混同

サブリギダを理解するうえで重要なのが、Echeveria canteとの歴史的な混同です。

ICNによると、Waltherが1972年のモノグラフでE. subrigidaとして記載した栽培植物は、真正なサブリギダではなく、後にEcheveria canteとして記載された植物でした。

そのため、Walther 1972のE. subrigidaの形態記載は、本記事では真正なサブリギダの形態資料として使用していません。

また、1958年にISI 182としてE. subrigidaの名称で配布された植物についても、ICNでは実際にはE. canteだったとされています。

E. canteが正式記載されたのは1997年です。それ以前の園芸資料で「subrigida」とされている植物については、実際にはカンテである可能性を考慮する必要があります。

## 分類

POWOでは、Cotyledon subrigida B.L.Rob. & Seatonを同タイプ異名、Echeveria angusta Poelln.を異タイプ異名として扱っています。

2026年に発表された分子系統研究では、Echeveria subrigidaはEcheveria ser. GibbifloraeのClade Xに位置づけられました。

この研究ではMexico(メキシコ)Querétaro(ケレタロ)州Tolimán(トリマン)のAlrededores del Derramaderoで採集されたJ. Rzedowski 50095(MEXU 988021)も解析に使用されています。

Clade Xの中では北部メキシコ系統を構成する種の一つとされていますが、E. subrigidaについて新属への正式な新組合せは発表されていません。

そのため、2026年9月現在POWOがacceptedとしているEcheveria subrigida (B.L.Rob. & Seaton) Roseを本記事の学名として使用します。

## 保全情報

今回の調査では、IUCN Red ListによるEcheveria subrigidaの正式な評価は確認できませんでした。

POWOにはAERPによる絶滅リスク予測として「not threatened」と表示されていますが、これは予測値であり、IUCNによる正式な保全カテゴリーではありません。

異名・旧学名

  • Cotyledon subrigida B.L.Rob. & Seaton
  • Echeveria angusta Poelln.

出典・参考資料

  • Robinson & Seaton (1893) — Cotyledon subrigida, Proceedings of the American Academy of Arts and Sciences 28:105
  • Rose (1903) — Echeveria subrigida, Bulletin of the New York Botanical Garden 3:10
  • Plants of the World Online (POWO) — Echeveria subrigida (B.L.Rob. & Seaton) Rose
  • UNAM / MEXU — Cotyledon subrigida, MEXU T14662, T14663
  • Muséum national d’Histoire naturelle — P00706305, P00706306
  • University of Colorado Herbarium — accession 421122, barcode 359133
  • Harvard University Herbaria — GH 00042491
  • International Crassulaceae Network — Echeveria subrigida
  • Cruz-López et al. (2026) — TAXON, Phylogenetic analysis and the recognition of a new genus for Mexican Crassulaceae segregated from Echeveria
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