Echeveria colorata E.Walther
基本情報
- 科
- Crassulaceae(ベンケイソウ科)
- 属
- Echeveria
- 学名
- Echeveria colorata E.Walther
- 命名者・著者引用
- E.Walther
- 記載年
- 1972
分布
- 原産国
- Mexico(メキシコ)
- 州・地域
- Jalisco(ハリスコ)
- 具体的産地
- Sierra de Tapalpa、Volcán de Tequila、Cerro Viejoなど
自生地に関する記録
本文/補足・記録
## 植物名
コロラータ
## 基本情報
・植物名:コロラータ
・学名:Echeveria colorata E.Walther
・科名:Crassulaceae
・属名:Echeveria
・命名者:E.Walther
・記載年:1972年
Echeveria colorata E.Waltherは、Eric Walther(エリック・ウォルター)が1972年に『Echeveria』p.91で正式記載した種です。
2026年現在、Plants of the World Online(POWO)ではaccepted speciesとして扱われています。
原産国はMexico(メキシコ)で、POWOではJalisco(ハリスコ)州を自然分布域としています。
## 分布
コロラータはJalisco州中央部の山地に複数の野生個体群が確認されています。
記録されている地域には、Sierra de Tapalpa(シエラ・デ・タパルパ)、Volcán de Tequila(ボルカン・デ・テキーラ)、Cerro Viejo(セロ・ビエホ)などがあります。
そのため、コロラータを「Tapalpaだけに分布する植物」とすることはできません。
Sierra de Tapalpaでは、Barranca de El Nogalの岩壁植生からEcheveria colorataが記録されています。
また、Volcán de Tequilaでは野生個体の標本も確認されています。MEXU 652619は、M. Cházaro B.とR. Patiñoが1993年5月14日にVolcán de Tequila山頂部で採集したE. colorataの標本で、採集地点の標高は2920mです。
ただし、この2920mは一つの標本の採集標高であり、コロラータという種全体の標高としては扱いません。
## タイプ標本
・Holotype:CAS
・標本番号:CAS 413924
・採集者:E. Walther s.n.
・標本作製日:1959年4月2日
・由来:Jalisco
タイプ標本は、University of California Botanical Gardenで栽培されていたUCBG 57.794をもとに作製されました。
この植物はJ.D. Zabaletaから植物園へ導入され、ZabaletaはGuadalajara(グアダラハラ)の庭園から入手したとされています。
そのため、タイプ標本はJalisco由来とされていますが、元となった植物の正確な野生採集地点は確認できません。
特に、Tapalpaをタイプ産地とする根拠は確認されていません。
Sierra de Tapalpaに野生のE. colorataが存在することと、タイプ株がTapalpa由来であることは別の問題として区別する必要があります。
## 分類
Waltherは1972年、Echeveria colorataとともにEcheveria lindsayana E.Waltherも別種として記載しました。
その後Kimnachが1980年に両者を再検討し、lindsayanaをcolorata側へ統合しました。
2026年現在、POWOではEcheveria lindsayanaをEcheveria colorata f. colorataの異型同物異名として扱っています。
一方、Kimnachが1980年に記載したEcheveria colorata var. brandtiiは、その後Echeveria colorata f. brandtii (Kimnach) Kimnachへ変更され、現在POWOでaccepted infraspecific taxonとして扱われています。
f. brandtiiのタイプは、1968年にLaguna de SayulaからTapalpaへ向かう道路沿いで採集された植物で、標高6800ft(約2070m)が記録されています。ただし、この値はf. brandtiiのタイプ標高であり、基礎種E. colorata全体の標高ではありません。
また、Kimnachは1980年にEcheveria tobarensisがcolorata類へ適用されるより古い名称である可能性も検討しましたが、E. colorataを同名へ置き換えるには至っていません。
そのため、E. tobarensisをE. colorataの同物異名として単純に扱うことはしません。
## 園芸流通名との区別
日本では「リンゼアナ」「Mexican Giant」「野生コロラータ」「原種コロラータ」「コロラータ タパルパ」など、コロラータに関連するさまざまな名称が流通しています。
ただし、これらの流通名だけから特定の野生個体群や採集地点、採集番号、証拠標本との関係を判断することはできません。
特に「野生コロラータ」や「原種コロラータ」は正式な分類群ではなく、その名称だけでwild provenanceが保証されるものではありません。
また、Echeveria colorata ‘Mexican Giant’は園芸上使用される名称ですが、POWOで認められている植物学上のformaではありません。
これらの流通系統については、基礎種とは分けて個別に扱います。
## 保全情報
2026年現在、tanitanien植物図鑑で掲載できる明確なIUCN Red Listの公式カテゴリーは確認できていません。
POWOには予測モデルによる絶滅リスク情報がありますが、IUCNによる公式評価とは異なるため、本記事では保全カテゴリーとして採用しません。
異名・旧学名
- Echeveria lindsayana E.Walther
- Echeveria colorata var. brandtii Kimnach
- Echeveria colorata f. brandtii (Kimnach) Kimnach
出典・参考資料
- Walther, E. (1972). Echeveria, p.91.
- International Plant Names Index (IPNI) — Echeveria colorata E.Walther.
- Plants of the World Online (POWO) — Echeveria colorata E.Walther.
- International Crassulaceae Network — Echeveria colorata.
- Kimnach, M. (1980). Revision of the Echeveria colorata complex.
- UNAM / MEXU — Echeveria colorata, Cházaro & Patiño 7158, MEXU 652619.
- Universidad de Guadalajara — Flora of Sierra de Tapalpa.