クライギアナ チワワ

Echeveria craigiana Chihuahua

基本情報

Crassulaceae(ベンケイソウ科)
Echeveria
学名
Echeveria craigiana Chihuahua

分布

自生地に関する記録

Köhres由来の種子・実生苗で、Echeveria craigiana Chihuahuaという表記が使用されている流通植物です。Chihuahuaは基礎種Echeveria craigianaの実際の自生地域と一致しますが、この流通植物の具体的な採集地点や採集番号は確認できていません。

本文/補足・記録

## 植物名

クライギアナ チワワ

## 基本情報

・植物名:クライギアナ チワワ
・流通表記:Echeveria craigiana Chihuahua
・基礎となる種:Echeveria craigiana E.Walther
・科名:Crassulaceae(ベンケイソウ科)
・属名:Echeveria

「クライギアナ チワワ」は、Köhres(ケーレス)由来の種子・実生苗で、Echeveria craigiana Chihuahuaという表記が使用されている流通植物です。

今回確認できた範囲では、「Chihuahua」は植物学上のvariety(バラエティ/変種)、subspecies(サブスピーシーズ/亜種)、forma(フォルマ/品種)として扱われている名称ではありません。

また、正式なcultivar(カルティバー/栽培品種)名として確認できる資料もありません。

そのため、Echeveria craigiana var. chihuahuaやEcheveria craigiana ‘Chihuahua’などの名称は使用しません。

## Chihuahuaとは

Chihuahua(チワワ)は、Mexico(メキシコ)北部のChihuahua州を指す地名です。

基礎種であるEcheveria craigiana E.Waltherは、実際にChihuahua州に分布することが確認されています。

Kew Plants of the World Online(キュー・プランツ・オブ・ザ・ワールド・オンライン/POWO)では、Echeveria craigianaのnative range(ネイティブ・レンジ/自然分布域)をChihuahua州とSinaloa(シナロア州)としています。

また、eFloraMex(イーフローラメックス)ではChihuahua、Sinaloa、Sonora(ソノラ州)からの記録を掲載しています。

したがって、Chihuahuaという地名自体は、クライギアナの実際の自生地域と一致します。

## Chihuahua州の記録

Chihuahua州からは、Echeveria craigianaの複数の標本記録が確認されています。

代表的なものとして、UNAM / MEXU(メキシコ国立自治大学・国立標本館)のMEXU 837477があります。

・採集者:R. Bye et al.
・採集番号:18279
・採集日:1991年10月9日
・地域:Mexico, Chihuahua, Urique
・場所:Camino entre Samachique y Huahuachic
・標高:2350m

この標本は、Samachique(サマチケ)からHuahuachic(ワワチク)へ向かう道路沿い、Samachiqueから道路距離で約14km西の地点で採集されたものです。

また、このMEXU 837477は2026年のTAXON分子系統研究にも使用されています。

このように、Chihuahua州にEcheveria craigianaが実際に生育していること自体は、流通名から推測したものではなく、標本資料によって確認できます。

## Köhresとの関係

日本国内では、Echeveria craigiana Chihuahuaという表記で、Köhres由来の種子から育てられた実生苗が流通しています。

The Garden Partyや多肉植物研究所などで、この表記を使用したKöhres実生苗の販売記録が確認されています。

そのため、「Echeveria craigiana Chihuahuaという表記が、Köhres由来の種子・実生苗で日本国内に流通している」ことまでは確認できます。

ただし、この流通植物についてKöhres公式一次資料から具体的な採集地や採集番号まで確認できているわけではありません。

## 「Chihuahua産」とは断定しない

Chihuahua州にEcheveria craigianaが自生することは確認されています。

一方で、Köhres由来の「Echeveria craigiana Chihuahua」が、Chihuahua州内のどこから得られた系統なのかは今回確認できていません。

具体的には、Urique(ウリケ)由来なのか、Barrancas del Divisadero(バランカス・デル・ディビサデロ)由来なのか、Sierra Canelo(シエラ・カネロ)由来なのかは不明です。

採集者、採集番号、field number(フィールド・ナンバー/採集番号)、採集年、採集標高、元となった標本番号も確認できていません。

また、野生採集種子そのものなのか、その後何世代か栽培下で継代された種子なのかも不明です。

そのため、tanitanien植物図鑑では「Chihuahua産のクライギアナ」と断定せず、「Chihuahua表記で流通するKöhres由来のクライギアナ」として扱います。

## 分類上の位置づけ

基礎となる正式な植物学名は、Echeveria craigiana E.Waltherです。

POWOでは2026年現在、この名称をaccepted species(アクセプテッド・スピーシーズ/受容されている種)として扱っています。

一方、「Chihuahua」は今回確認した主要分類資料では、正式な変種、亜種、品種、栽培品種としては確認できません。

したがって、クライギアナ チワワは独立した分類群としてではなく、Chihuahuaという表記を伴って流通しているEcheveria craigianaの系統として整理します。

なお、2026年の分子系統研究ではEcheveria craigianaがEcheveria affinisとともにGraptopetalum(グラプトペタルム)のclade(クレード/系統群)内部に位置することが再確認されています。

ただし、Echeveria craigianaについてGraptopetalumへの正式なnew combination(ニュー・コンビネーション/新組合せ)は今回確認されていません。

そのため、現在の学名としてGraptopetalum名を使用することはありません。

## 確認できていないこと

Köhres由来の「Echeveria craigiana Chihuahua」について、Chihuahua州内の具体的な採集地点、採集者、採集番号、field number、採集年、採集標高、元となった標本番号は確認できていません。

また、MEXU 837477やR. Bye et al. 18279と、このKöhres系統を直接結びつける資料も確認されていません。

Köhresの商品番号として9409が候補に挙がった記録もありますが、公式一次資料から再確認できていないため、この記事では使用しません。

## 関連する原種 Echeveria craigiana

クライギアナ チワワの基礎となる植物は、Echeveria craigiana E.Waltherです。

クライギアナ本種の原記載、タイプ標本、分布、2026年の分子系統研究などについては「クライギアナ」の図鑑記事で扱います。

出典・参考資料

  • Kew Plants of the World Online(POWO)— Echeveria craigiana E.Walther
  • eFloraMex — Echeveria craigiana
  • UNAM / MEXU — MEXU 837477
  • Harvard University Herbaria — Echeveria craigiana specimens from Chihuahua
  • TAXON (2026) — molecular phylogenetic study including Echeveria craigiana
  • The Garden Party — Echeveria craigiana Chihuahua, Köhres実生苗
  • 多肉植物研究所 — ECHEVERIA craigiana Chihuahua、クライギアナ チワワ、Köhres実生苗
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