アガボイデス エボニー サリトレラ|Echeveria agavoides Ebony Salitrera

Echeveria agavoides Lem.

アガボイデス エボニー サリトレラ(Echeveria agavoides Lem.)|tanitanien植物図鑑

基本情報

科
Crassulaceae
属
Echeveria
学名
Echeveria agavoides Lem.
命名者・著者引用
Lem.
記載年
1863

分布

原産国
Mexico
州・地域
La Salitrera
具体的産地
La Salitrera(ラ・サリトレラ)

自生地に関する記録

2016年3月23日の現地調査でLa Salitreraに野生のEcheveria agavoidesが記録された。流通名Ebony Salitreraの株がこの野生集団に直接由来することは未確認。

本文/補足・記録

「アガボイデス エボニー サリトレラ」の名前に含まれるラ・サリトレラは、Echeveria agavoides が野生状態で確認された現地記録のある地域です。

2016年3月23日のメキシコでの現地調査記録には、ラ・サリトレラで観察された植物の一つとして Echeveria agavoides が掲載されています。

そのため、ラ・サリトレラと Echeveria agavoides の地理的な関係には、現地での観察記録による裏付けがあります。

一方、現在「Ebony Salitrera」の名称で流通している植物そのものが、この野生集団から採種・増殖されたことを直接示す資料は確認できていません。

ラ・サリトレラで確認されているアガボイデス

ラ・サリトレラは、メキシコで Echeveria agavoides が野生状態で確認された地域です。

2016年3月23日の現地調査記録には、ラ・サリトレラで観察された植物の一つとして Echeveria agavoides が掲載されています。

そのため、ラ・サリトレラと Echeveria agavoides の地理的な関係には、現地での観察記録による裏付けがあります。

一方、今回確認した資料では、ラ・サリトレラ産として採集者、採集番号、標本庫まで追跡できる標本資料は確認できませんでした。

「Ebony Salitrera」は流通名称

「Ebony Salitrera」は、Echeveria agavoides に付けられて流通している名称です。

ただし、「Ebony Salitrera」という正式な変種や栽培品種が発表されたことを裏付ける資料は確認できません。

そのため、Echeveria agavoides var. Ebony Salitreraのような正式な変種としては扱いません。

また、Echeveria agavoides ‘Ebony Salitrera’のように、栽培品種名として引用符を付けることもしません。

tanitanien植物図鑑では、Echeveria agavoides Ebony Salitreraを流通上の名称として扱います。

栽培品種‘Ebony’とは区別する

アガボイデスには、1992年に発表された栽培品種 Echeveria agavoides ‘Ebony’があります。

‘Ebony’は、マイロン・キムナック(Myron Kimnach)とジョン・トレーガー(John Trager)によって発表された栽培品種です。

その由来は、ハンティントン植物園でHBG 62638として管理されていた植物まで追跡できます。1992年には、この植物から増殖された発根挿し木がInternational Succulent Introductions(ISI)によってISI 92-44として配布されました。

HBG 62638はメキシコ・コアウイラ州由来と報告されていましたが、野生での具体的な産地は不明とされています。

この‘Ebony’の記録からは、ラ・サリトレラとの関係を確認できません。

そのため、「Ebony」という名前が共通していても、Ebony Salitreraと栽培品種‘Ebony’を同じクローンや同じ系統とみなすことはできません。

野生記録と流通株の由来は別の情報

ラ・サリトレラでは、Echeveria agavoides が野生状態で観察された記録があります。

また、「Ebony Salitrera」という名称の Echeveria agavoides が流通していることも確認されています。

しかし、この二つの事実だけでは、現在流通しているEbony Salitreraがラ・サリトレラの野生集団から直接採集・採種された植物に由来するとは断定できません。

野生集団から特定の採集や採種を経て、現在の流通株へつながったことを示す記録が確認できていないためです。

そのため、tanitanien植物図鑑では「ラ・サリトレラという地域名を伴って流通する Echeveria agavoides」として扱います。

現在はEcheveria agavoidesとして扱う

母種 Echeveria agavoides を含むグループについては、近年DNAを使った分類研究が進んでいます。

2026年の研究では、Echeveria agavoides を含むUrbiniaのグループが独立したまとまりであることが強く支持されました。

この研究では、Urbiniaを独立した属として再認識することが提案されています。ただし、Urbiniaに含まれる各種について必要な新組合せがすべて正式発表されたわけではありません。

そのため、tanitanien植物図鑑では現時点で属名を先行して変更せず、Echeveria agavoides を基本学名として使用します。

異名・旧学名

  • Urbinia agavoides (Lem.) Rose

出典・参考資料

  • Lemaire, C.A. (1863). Echeveria agavoides. Illustration Horticole 10 (Misc.): 78.
  • Mexico – “Prímavera 2016”. 2016年3月23日、ラ・サリトレラ。Echeveria agavoidesの現地観察記録。
  • International Crassulaceae Network. Echeveria agavoides ‘Ebony’. ISI 92-44 / HBG 62638。
  • de la Cruz-López, L.E. & Espinosa, D. (2026). Phylogenetic analysis and the recognition of a new genus for Mexican Crassulaceae segregated from Echeveria. TAXON 75(3): e70153.