Carrilloa aurantiaca (J.Reyes, O.González & Brachet) L.E.Cruz-López

基本情報
- 科
- Crassulaceae
- 属
- Carrilloa
- 学名
- Carrilloa aurantiaca (J.Reyes, O.González & Brachet) L.E.Cruz-López
- 命名者・著者引用
- (J.Reyes, O.González & Brachet) L.E.Cruz-López
- 記載年
- 2011
分布
- 原産国
- Mexico
- 州・地域
- Guerrero
- 具体的産地
- Taxco周辺、Tepacoya(Taxcoから北へ約17 km)
自生地に関する記録
本文/補足・記録
アウランティアカは、2011年に Echeveria aurantiaca として新種記載された植物です。
現在の学名は、Carrilloa aurantiaca (J.Reyes, O.González & Brachet) L.E.Cruz-López。
最初に発見されたのは2002年9月。メキシコ・ゲレーロ州のタスコ近郊で、それまで知られていなかったエケベリアとして見つかり、5個体が採集されました。
採集された植物はメキシコ国立自治大学(UNAM)の生物学研究所植物園で栽培され、その後の研究につながりました。
2011年に新種として記載されたアウランティアカ
2011年、ヘロニモ・レイエス(Jerónimo Reyes)、オスカル・ゴンサレス・ソルサノ(Oscar González Zorzano)、カルロス・ブラチェット・イセ(Carlos Brachet Ize)によって Echeveria aurantiaca として正式に発表されました。
原記載では、Echeveria fulgens var. fulgensや Echeveria fulgens var. obtusifoliaと比較され、花の色や花序、葉などの違いによって区別されています。
学名のaurantiacaは「オレンジ色」を意味し、その名のとおりオレンジ色の花が特徴のひとつです。ただし、独立種と判断された根拠は花色だけではなく、花序の数や構造、葉の形や大きさを含む複数の特徴でした。
学名の基準となったテパコヤの標本
新種記載の基準となった標本は、ヘロニモ・レイエスが2007年12月8日に採集したものです。
採集地はゲレーロ州テパコヤで、タスコから北へ17 kmほど離れたサン・グレゴリオへ向かう道沿い。標高は1,585 mでした。
この標本には「J. Reyes 6012」という採集番号が付けられ、メキシコ国立植物標本館(MEXU)に保存されています。
2011年の原記載では、アウランティアカはこのタイプ産地だけから知られる種とされていました。
正式な記載より約60年前にも採集されていた
アウランティアカには、新種記載よりもはるかに古い採集記録があります。
ハロルド・エメリー・ムーア(Harold Emery Moore)が1949年11月6日にゲレーロ州タスコ地域で採集した「H. E. Moore 5537」です。
この標本は現在、Echeveria aurantiaca としてハーバード大学標本館に登録され、GH 01987701として保存されています。
アウランティアカが正式に新種記載されたのは2011年です。その約60年前に、現在この種として扱われている植物がすでに採集されていたことになります。
また、ヘロニモ・レイエスが2010年にタスコとイスカテオパンの間で採集した標本もあります。ただし、この標本はMEXUの公開データでは Echeveria fulgens として登録されています。
標本データベースに登録されている名前と、後の研究での扱いが必ずしも一致するとは限らないため、区別して見る必要があります。
エケベリア属からカリロア属へ
アウランティアカは、2011年に Echeveria aurantiaca として記載され、エケベリア属のGibbifloraeと呼ばれるグループに分類されました。
その後、DNAを使った研究によって、このグループの近縁関係が詳しく調べられました。
2026年の研究では、アウランティアカを含むグループが独立したまとまりを形成することが示されました。この段階では「Carrilloa」という名前は提案されていましたが、まだ正式な属名としての分類変更は行われていませんでした。
その後、正式な分類処理によってカリロア属(Carrilloa)が発表され、Echeveria aurantiaca も Carrilloa aurantiaca へ移されました。
tanitanien植物図鑑では、この分類変更を反映して Carrilloa aurantiaca を基本学名としています。
「チラパ」は地域名を伴う流通名称
「アウランティアカ チラパ」は、園芸流通で実際に使われている名称です。
チラパはメキシコ・ゲレーロ州に実在する地名ですが、Carrilloa aurantiaca の産地として植物学的に確実に確認できるのは、タスコ周辺やタイプ産地のテパコヤです。
今回確認した植物学資料では、「アウランティアカ チラパ」として流通する株そのものが、チラパで採集された野生個体に由来することを裏付ける資料は確認できませんでした。
そのため、tanitanien植物図鑑では「チラパ」を地域名を伴う流通名称として扱います。正式な栽培品種名としても扱いません。
Carrilloa aurantiaca がゲレーロ州に自生することと、「チラパ」という名称で植物が流通していることは、それぞれ確認できます。
しかし、現時点ではこの二つを直接結びつけて「チラパ産の野生系統」とすることはできません。
異名・旧学名
- Echeveria aurantiaca J.Reyes, O.González & Brachet
出典・参考資料
- Reyes Santiago, J., González Zorzano, O. & Brachet Ize, C. (2011). Echeveria aurantiaca (Crassulaceae), una nueva especie del estado de Guerrero, México. Cactáceas y Suculentas Mexicanas 56(3): 68–74.
- de la Cruz-López, L.E. & Espinosa, D. (2026). Phylogenetic analysis and the recognition of a new genus for Mexican Crassulaceae segregated from Echeveria. TAXON 75(3): e70153.
- Botanical Sciences (2026). Richness and endemism patterns of the new genus Carrilloa (Crassulaceae) for Mexico and Guatemala.
- Harvard University Herbaria. H. E. Moore 5537, GH 01987701.
- Universidad Nacional Autónoma de México / MEXU. J. Reyes 6773, MEXU 1394888.