はじめに
強い日差しや乾燥から身を守るために、自ら白い粉(ブルーム)をまとう多肉植物。その知恵と生命力には、いつも驚かされます。今回ご紹介する「クライギアナチワワ」も、そんなブルームを美しくまとった品種です。力強さを感じさせる一方で、その姿はどこか愛らしく、私たちの心を惹きつけます。この記事では、この植物が持つ魅力や育成のコツをご紹介します。
※エケベリアには数百種類の原種が知られていますが、その分類や情報はしばしば混乱しています。
特に園芸品種と流通名が混ざってしまうケースが多く、正確な原種の姿や原産地情報が見えにくくなっています。
原産地情報、学名等はtanitanienが独自に調査した情報で、ここに記載してある情報は間違いのない正確な情報ではない事をご理解した上でご覧になってくれると幸いです。
クライギアナチワワの全体像
学名(科・属・種)
- 科名 :ベンケイソウ科
- 属名 :エケベリア属
- 種名 :クライギアナチワワ
- 名札に表記 :Echeveria craigiana,ChihuahuaまたはE.craigiana,Chihuahua
クライギアナチワワの花芽
Coming Soon (撮影次第掲載します)
原産地
「クライギアナ・チワワ」は、原種「Echeveria craigiana」 の中でもメキシコ・チワワ州で採集された株らしく、「Chihuahua」は産地由来で産地名がそのまま使われているものと考えられます
クライギアナについて
学名:E.craigiana E.Walther(1952)
多肉植物「クライギアナ」は、1939年に植物学者のRobert Theodore Craig(ロバート・セオドア・クレイグ)氏と、彼の探検を支援していたGeorge Edmund Lindsay(ジョージ・エドマンド・リンゼイ)氏によって発見されました。
二人はメキシコのチワワ州にあるウルンケ川の渓谷でこの植物を採集しました。この場所は、マツやシダが生い茂る環境でした。
その後、採集された植物は、植物学者エリック・ウォルター氏に託され、ウォルター氏はこれを新種であると判断し、1952年に専門誌で「Echeveria craigiana」として正式に発表しました。学名に「craigiana」と名付けたのは、発見者であるクレイグ氏への敬意を示すためだそうです。
また、ウォルター氏は、新種の定義を明確にするために「タイプ標本(Craig & Lindsay no. 3)」を指定し、現在もカリフォルニア科学アカデミーに保管されているそうです。
特徴
葉は幅広で肉厚、先端が鋭く尖っています。色は淡い青緑色で、特に光を浴びると、葉の縁が淡いピンクやベージュに染まることがあります。また、葉の表面には、白いブルーム(白粉)が厚く、均一にまとっています。このブルームが葉全体を覆うことで、柔らかな質感と、独特の落ち着いた色合いを生み出しています。
tanitanienギャラリー


育成難易度(tanitanienの経験上)
★☆☆☆☆
私たちはクライギアナチワワを種から(実生)育てておりますが、私たちの環境下(ハウス栽培)では容易に育成できるため初心者の方にもおすすめの品種になります。
綺麗に育てるコツ
一年を通して、できるだけ日当たりの良い場所に置いてあげてください。特に春と秋は、十分に日に当てることで、葉が締まり、美しいロゼットを形成します。
クライギアナチワワは、なるべく苗に水を掛けないようにすると葉に纏ったブルームがきれいに維持できます。
最後に
岩場に根を下ろす姿は力強く、伸びやかな葉姿と鮮やかな花茎は見るたびに新鮮な発見をくれます。タイプ標本として歴史に名を残すクライギアナを、ぜひ自分の手で育ててみて下さい。
また、冒頭にも述べましたが、この記事に書いてある情報は、tanitanienが独自に調査、育成経験を基に書いておりますので決して正確な情報ではありません事をご理解ください。なお、クライギアナチワワに関して情報をお持ちの方がおりましたら是非問い合わせフォームの方にご連絡ください。
